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連れと休みが合ったので、急遽旅行へ行くことになった。

なにしろ日程やら行き先やら宿泊先なんかを熟慮する時間もほとんど無かったんだが、

デジカメを持っていくのだけは忘れないよう気をつけたので、

数枚の写真を自慢げに記録してみたいと思う。

 


 

10月10日

出発前日まで台風が来てたんだが、何とか迷惑を被ることもなく、

どちらかといえば暑いなかを、車で紀伊半島縦断することになった。

連れと京都で合流し、国道24号を南へ、南へ、そして南へ。

京都最南部あたりから奈良県に入って少しの辺りまでを”京奈和自動車道”という

しょぼい高速が通ってるだけで、あとはもうビックリするくらいシタミチである。不便だ。

 

9時半くらいに出発して、12時過ぎに、山中の峠の

道の駅のようなところで昼食をとる。

奈良のこのあたりの名産である黒米を使った

『黒米カレー』というのをメニューに発見するが、

あいにく今日の分は売り切れになったとのこと。

しょうがないのでハンバーグランチなど食ってみる。

『手造りハンバーグ』と書いてあったが、

パック詰めの冷凍ハンバーグを、湯で5分ほどボイルしたような肉だった。

 

奈良市を過ぎ、国道を24号から168号へ。

いよいよ山の中をひたすらぐねぐねロード。

熊野川を右や左に見ながら黙々と車を進める。

 

山道の利点は、信号がほとんどないこと。あと景色がきれいなこと。

逆に欠点は、ぐねぐねなのでなんとなく効率が悪く感じること、

前のトラックやバスが遅くても、抜きどころが難しいこと。

登り道で、馬力のある車に後ろから煽られること。

便所のタイミングが難しいこと。

きれいな景色があっても、カーブが続くため

チラッとしか目を向けられないこと。

 

たくさんのそれほど大きくない規模の橋があちこちに架かっている。熊野川であったり、

名も知らぬ小さなせせらぎに架かってたりするんだが、それぞれ個性的な橋だった。

   

   

   

 


 

今回の旅は、主目的を2つ設定していたんだが、そのうちのひとつ、

「谷瀬の吊り橋」に到着。このページの最上部に載せている写真の橋だが、

という橋である。

おもいっきり手書きの案内ボードなんだが、文末のほうで、なんとかぎりぎり

文字を枠内に収めようという苦心が隠し切れていないところに旅愁のかほりが漂っている。

左のおっさんは週末にのみ現れる、渡橋人数監視員。

右手の建物はおっさん達の小屋。

ボランティアでやってるのかとも思ったが、

橋周辺の駐車場は一律¥500の駐車料金を

とりやがるため、幾ばくかの収入を得てるのかも。

なにもこんな山の中の自然味あふれるとこで

そんな小銭を徴収せんでも、と思う。

 

橋は見ての通り、一見非常に頼りない造り

となっているが、わざとじゃないのかってくらい

実際ひどく揺れる構造だ。

両横のフェンスは1mと少しくらいの高さで、

橋の下に、サーカスの空中ブランコで使われる

ようなセーフティネットなんかもない。

 

床の金網部分で真下が窺えるため、よりドキドキ感が得られる。

この金網は、板部分の下には張られていないため、

板の下はそのまま川という仕様のようだ。

この板は、足を乗せると結構しなるため、

なかなかスリリングである。

他の渡っている人間がふらふら歩くと、

上下揺れ+左右に小刻み揺れとなり、

必要以上に神経を使う。ガキがはしゃいでウザい。

 

 

約10分ほどで向こう岸に到着。

対向者とすれ違うときとかはカニ歩きに

なってしまうので、これくらいの時間がかかる。

こちら岸に着くと、すぐ横の売店で、

土産物を売ってたりと、なかなかしたたかだ。


 

 

 

少し休憩して復路へ。

川岸に何か見える。光学3倍ズームの出番だ。

『世界遺産 守る心で 川護る』 と書かれているようだ。

熊野川流域…というか正確には熊野古道のことだと思うが、これが世界遺産に指定されたらしく、

実際車で走ってるときに”世界遺産”という文字をあちこちで散見した。

世界遺産守りたいのに、守るために世界遺産の一部に落書きしてどうすんねん

 

再び車に乗り込み、和歌山を目指す。

約1時間の駐車で¥500とはいい料金してやがる。大阪でもなかなか無いぞ。

 


 

和歌山県新宮市に到着。

飯食ったり休憩したりしながらで、所要時間約8時間といったところか。

駅前のビジネスホテルにチェックインし、小休止したのち晩飯処を求めて駅周辺を散策する。

 

新宮というところは、思った以上に田舎っぽい町で、駅前なんかもあまりギラギラしておらず、

明日は祝日だというのに、日曜だからという理由だろうか、開いている店もとても限られている。

いちおう海に近い土地なので、海鮮物を売りにしてるような居酒屋か

あるいはお寿司屋さんにしようと目論んでいたが、

駅に近い2〜3軒の寿司屋はどこも高そうで、

やはり2〜3軒の居酒屋はどこもあまり美味しくなさそうだった。

しょうがないので動く範囲を広げ、1時間ほどうろうろし、

商店街の中にぽつりと開いてた「一玄」という

小料理屋に入る。やれやれ、やっとビールが飲めるぜ。

 

小ぢんまりとした店内はなかなか清潔な感じで、

俺らの他には一人客が二組。カウンターに座り、まずは生中で乾杯。

 

「海のもので適当にお願いします。」と料理をオーダーしたところ、「海のものですか?……はぁ…。」

と、なかなかしっくりこない返事。なんか変なこと言ってしまったかなと場の空気を眺めながら、

しかしあまり気にするまいとビール(サッポロ)をごくごく飲む。

 

付き出しはアンキモのような何かの肝。臭みは無いが、あまり美味くはなかった。

まず出てきたのはサザエに似た殻付の貝。これをほじくって食べる。何という名前の貝なんだろうか。

味はシジミを大味にしたような感じで、まあまあおいしい。ビールがなくなった。

続いて刺身盛りが出てくる。マグロとイカと、そしてフグ。まさか和歌山に来てフグを食べるとは。

先日までの台風の影響で、あまり良い漁果がないようなことを大将はおっしゃられていた。

加えて、今日が日曜ということで、ひょっとしたら魚市場的なものが休みだったのでは、とも思う。

マグロとイカはそんなに美味しくなかったが、フグはコリコリと歯ごたえもよく、噛むごとに

旨みのような甘みのようなものがにじみ出てきて、たいへん美味しかった。

フグ用に出てきたポン酢の味も、なかなかにグー。

 

ビールのあとは2杯目から日本酒に切り替えた。あいにく酒は1種類しか置いてないとのことで、

なんとも残念ではあったが、その唯一の酒を頂くことにする。和歌山地酒の『太平洋』という銘柄の

二合瓶が出てきた。「ちょっと甘いかもしれんなぁ」という大将の独り言がやや不吉であったが、

実際飲んでみたところ、たしかに口当たりは甘口系のそれではあるが、喉越しはそれほど不快でもなく、

まあ許容範囲ではある。しいていうならば、生酒と書いてあったので仕方が無いのかもしれんが、

不粋な臭みを無くして米と麹の崇高なハーモニーが香りたちつつ、醸造による豊かな旨みを持ちながら

喉越し軽やかにしてすっきりとした後味が料理の味とともに口中に響きわたるようであれば良かったと思う。

酒は甘口だったが、やや辛口な感想になってしまったか。

 

このあと焼き物や揚げ物など、もう4〜5品の料理を食べた。なんだかんだ言って旅先ということで、

楽しく飲み食いしとるわけなんだが、最後に土瓶蒸しのような料理が出てきた。

とろみが付いた吸い物の中に、いくつかの具が沈んでいる。鯛、銀杏、豆。そして松茸。

 

 

 

 

 

 

 

 

松茸?

 

10cmX4cmくらいにスライスされたこいつの存在を見つけたとき、「すごい!」と「こわい!」を同時に感じた。

おいおい、なんでこんなの入ってるんだよ。勘定は大丈夫なのか。何かの罠じゃないのか。

一瞬カミソリの刃のような緊張感が背中を貫いたが、すぐに落ち着きを取り戻し、

まぁ命までは取られるまいと思い直して、おずおずとその汁を口に運ぶ。(゚д゚)ウマー

鯛のダシなのか昆布のダシなのか、あるいは松茸のダシなのか判らないが、(松茸からダシって出るのか?)

懐かしいようなやさしいような味わいがとても上品であり、それでいて親しみ深い味だ。

六分酔いくらいの身体に旨みが十二分に行き渡るような、とても美味しい締めの一品であった。

 

結局勘定も、2人で¥11,000くらいで、店の雰囲気と食った量のわりには”有り”な支払いだった。ふぅ。

 

 

 


 

 

駅前のほうへ30分ほどふらふら歩いて、BARを発見する。

年季の入ったビルの地下にあったんだが、

なんとなく店構えや、「ディジャブ」というネーミングから

それこそ”ハズレな店”な既視感を覚えながら、

しかしやっとこさ見つけたBARということで、

「ハズレでもともと」と考えながらいざ入店。

 

はたして不潔そうなガキや、気の利いてない女性客がたむろする正統派の「ハズレ」店であった。

置いてる酒の種類が少なく、天井からぶら下がった15型くらいのテレビは

MTVのような映像を垂れ流している。テーブルや床もやや不衛生な印象。

とりあえずギムレットを飲んでみる。やや甘で、ジンの爽快さが無い。でもなぜか

バーテンダー(と呼ぶような感じの店員じゃなかったが)の誠意のようなものを感じた。

いいかげんに仕事してるわけじゃなくて、彼なりに一生懸命なんじゃないかな、といった感じの。

 

連れがジントニックをちびちび飲む間にフォアローゼス(白)を2杯飲む。もうカクテルを飲む気も起きないし、

モルトなんかまったく見当たらない。他に何を飲めっていうんだ。

勘定を頼んで、「これくらいのレベルの店でこの4杯なら¥2,400くらいが妥当だな」と連れに話す。

出てきたお勘定は¥2,350。ニアピン賞である。なんにしろ安い勘定でよかった。これでボラれてたりしたら…

 


 

駅前に戻り、電話ボックスを探し、黄色い電話帳の[スナック・BAR]の項を開く。

このままじゃホテルに帰れない。時間は22時くらい。まだまだ宵の口だ。

10軒ほどの店名から直感で2軒をチョイスし、電話をかける。

行ってみてから「閉まってた」という事態は避けなければいけない。

2軒とも営業してるようで電話はつながったが、片方は若い感じの女の子が電話口に出た。

今の状況にもう少し余裕があれば突撃してもよさそうだが、行ってみて「ハズレ」だった場合が恐ろしい。

もう1軒のほうは落ち着いた年配男性の声で、BGMにジャズミュージックが聞こえた。よし、こっちだ。

電話帳に記載されていた住所をタクシーの運転手に告げる。路地の入り組んだとこにその店があったので

運転手さんはわざわざ営業所に問い合わせたりしてまで俺たちを運んでくれた。ありがとう。

「Teddy's Bar」というその店は、なかなか良い店だった。落ち着いた雰囲気で清潔感もある。

入ったときは客は俺らだけだったが、しばらくするうちぽつぽつと常連さんらしき人たちが入ってくる。

1杯目のギムレットは、かなりドライな飲み口だった。最前のものが貧弱なものだっただけに、

余計にそう感じるのかも。まあでも、これでこそ酔い甲斐があるというものだ。味わって飲む。

バックバーの品揃えもなかなかのものだったし、ライティングなんかもかなりおしゃれな感じだ。

ちょっとエロい感じも受けたが。で、スプリングバンクを飲んでボウモアを飲み、

最後にワイルドターキーを飲んでお勘定。マスターはけっこう黙々と何かの作業をされてたので

あまり会話はしなかったが、充分寛いで酒を楽しむことが出来た。いい感じに酔って、

ホテルまでとぼとぼ歩いて帰る。昼間の長距離ドライブの疲労もあってか、すぐに眠りに落ちた。

 

 


 

10月11日

この日もうんざりするほどよい天気。

新宮から紀伊半島の海岸線に沿って、ぐるっと大阪まで走る予定である。ぐるっとカンサイ。

 

 

途中いくつかの観光地で車を停めたんだが、まずやって来たのは「那智の滝」。

ついこの前も滝に行ったばかりなのに、やけに滝づいている。

近くの駐車場に車を停め、長い階段を下る。ここに来るまでけっこう山道を登ってきたので

やはり幾分涼しい気がする。

 

 

  

富山の称名滝にも劣らない落差がありつつ、

圧倒的に違うのはその水量。

「どこからこんな大量の水が?」と考えさせられた。

 

水量が多いと音がでかい。臨場感がすごい。

水煙も激しく立ち昇っている。

これはなかなか鑑賞し甲斐があると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

¥300払えば、滝のすぐ根元まで

歩いていけるらしいが、もちろん払う気も起こらない。

『延命長寿の水』って、おいおいただの水だろ?

おまけに水を汲む容器まで有料で販売してる始末。

 

そんなにしてまで小銭を巻き上げんでも。

 

 

 

その商売上手っぷりにいささか興醒め感をおぼえながら駐車場へ戻ってくる。

ちなみにここでも駐車料金¥500を取られた。

駐車場は周辺に数箇所見受けられたが、滝からの距離に関係なく

どこの駐車場も一律¥500のようだ。自由競争は行われていない。俗に言う談合というやつか。

 


 

紀伊半島南端に程近いところにある観光スポットのひとつ『橋杭岩』

こんなふうに、奇妙な形の岩が連立している。

暑かったので海に触れてみることにした。

ちっちゃいカニとか魚がたくさんいた。気持ちよかった。

 


 

そしていよいよ本州最南端へ。

本州最南端の駐車場だそうである。ここは無料だった。

本州最南端の証明である。13〜4年前に生まれて初めて一人旅をしたときここに来た。

こんなのあったっけ?あまり記憶に残っていない。

この海の向こうはオーストラリアだということだ。

記念に本州最南端のトイレで用を足してみる。

前に来たときこんなちゃんとした設備は無かったように思うんだが。

 

車で少し行くと灯台がある。

この灯台の駐車場でも数百円の駐車料金が(もうええちゅに)

そして灯台に登るのに¥200くらい取られた

最南端よりも若干北に位置するんだが、海の眺めはこちらの灯台のほうがよい按配。

なんとなく水平線が地球の丸みを帯びているように思えなくもない。

 

 


 

通り道にあたる白浜に寄ってみた。時刻はかなり夕方に。

小腹が空いてきたということで、駅前の観光地図を見て

港の近くに在る「とれとれ市場」というところにやってきた。観光バスやら車がむちゃくちゃ多かった。

京都やら静岡やら岡山やらから来てる人がいることを車のナンバーで知る。

 

とれとれ市場は壮大な面積を誇っており、魚介類を筆頭に漬物、梅干、果物、野菜など

和歌山絡みの産物が豊富に取り揃えられている。もちろん飲食スペースもいくつかあり、

丼屋や焼き物屋、天ぷら屋などに加え、「ザ・めしや」みたいなセルフサービスの食堂まである。

しかし料金は軒並み高く、明らかに観光地価格でぼったくっている。

たとえばあまり新鮮そうでない、パックに入ったイカの刺身が¥500

マグロや中トロの刺身が、やはりパックに入っていて、5切れくらいで¥800

丼物はすべて¥1,000前後、等々……

 

それほど美味しいのかもしれないが、なんか違う気がする。

 

結局我々は、貝や小魚のすり身をさつま揚げのように揚げて棒に刺したものと、

めはり寿司↑という、おにぎりを高菜の葉でくるんである地元の名産品を細々と食した。

高菜の良い香りが楽しめるが、飯に味が付いておらず、具も何も入っていない。少し悲しい。

 

 


 

このあと車でひたすら海岸線を北上し、

連れの家の近くのラーメン屋でラーメンを食って連れと別れ、地元に帰ってくる。

 

なんとか無事に帰ってこれたということで「風凛」に行き、ジントニック、ギムレット、マティーニ。

そして「ブルーバー」でジンベースのショートカクテルとタリスカー、ワイルドターキーを飲んだ。

 

和歌山というところはなんとなく地味な存在という認識があったが、

自然が豊かで観光客に対する意識が高く、なかなかにたいした土地だと思った。

たとえば道の駅が多く、道路案内の看板はバラエティに富み、土産物屋もけっこう点在している。

しかしそれが、ここまでで何度か書いてる駐車料金への不満や、

観光客目当てのややぼったくりな価格設定につながっていることは残念である。

オススメは那智の滝と紀伊半島の海岸線に沿って走るドライブ。

国道42号線は本当に海が近く、カーブや起伏も豊かでかなり気持ちよかった。

 

 

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